SM3

ここ数年、毎年ハワイ沖にてアメリカと共同で実験してきた海上配備型迎撃ミサイルですが、北朝鮮がアメリカ本土やハワイに向けて長距離弾道ミサイ ルを発射した場合、SM3を日本周辺のイージス艦から発射しても、高い軌道を飛ぶ弾道ミサイルには射程が足りず、迎撃が困難なことが分かりました。2010年5月2 日、複数の防衛省幹部が明らかにしました。

現行のSM3は、射程が200〜300kmと推定されていて、アメリカ合衆国を狙ったミサイルを迎撃できないことが明らかになっています。新型の SM3ブロック2Aも、射程は非公表ですが、軍事専門家の間では迎撃が可能との見方もありました。

しかし、防衛省幹部によると、北朝鮮が約7000km離れたハワイへ弾道ミサイルを発射した場合、日本近海でイージス艦からSM3ブロック2Aを発 射しても、高軌道を飛ぶミサイルには射程が足りず、迎撃は不可能との結論に達しました。

新型迎撃ミサイル、SM3ブロック2Aは、日米共同開発のもとに進められてきたプロジェクトです。重要部分は日本が担当していました。

日本の同盟国であるアメリカ合衆国に向け、他国から発射されたミサイルを日本が迎撃するには、憲法解釈で禁じられている集団的自衛権の行使を容認す ることが必要ですが、「迎撃を拒めば日米の同盟関係が破綻する」との指摘もあり、新型迎撃ミサイルに迎撃能力があることを前提に開発が進められてきまし た。今回の結論は、集団的自衛権をめぐる今後の議論にも、影響を与えそうです。

ハワイ沖にて初の弾道ミサイル迎撃に成功
2007年12月23日〜2007年12月29日 Vol.2 No.51

今年もハワイ沖でミサイル実射訓練実施
2008年11月18日〜2008年11月24日 Vol.3 No.39

ハワイ沖でのミサイル迎撃演習失敗
2008年11月21日 Vol.3 No.40

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